2012年06月30日

チョコレートと弾丸、「1984年」より

「チョコレートの最後のひとかけらを奪い去られた時、母は妹を両腕に抱き締めたのであった。それは役にも立たない行為であり、なんの変化ももたらしはしなかったし、チョコレートが新たに出てくるわけでもなかった。そうしたからといって、子供や自分の死を回避できる筈もなかった。しかし彼女には、そうすることが自然のように思われたのだ。ボートに乗っていた避難民の女も幼い子を腕でかばったが、それは弾丸に対して紙一枚ほどの役にも立たなかった。」

ジョージ・オーウェルの「1984年」の中でも、とても印象深い一節です。
戦争という極限状態での母性に私は絶望し、そして泣きながら、この一節に希望を持ちます。
posted by アレン at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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