2010年09月22日

[企画]あなたの好きな安部公房の作品を教えてください

初出:2007年05月16日
再掲:2010年09月22日

あなたの好きな安部公房の作品は何ですか?
私は、短編では「鉛の卵」、長編では「第四間氷期」に人生観ががらりと変わってしまうほどの衝撃を受けてしまいました。それがホームページ「安部公房解読工房」をつくるきっかけになりました。
皆さんがどの作品から惹きこまれたのかは、とても興味があります。この機会に是非、安部公房の諸作品に対する思いを語ってみられてはいかがでしょうか?
この記事に対するコメントもしくはトラックバックをしていただければ幸いです。
タグ:安部公房
posted by w1allen at 20:55| Comment(15) | TrackBack(0) | 安部公房を読みこむ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私が一番好きなのは「砂の女」です。
一回目読む時は主人公の男に同調しているので
状況と戦うドラマですが、二回目は離れた感じで
読むので別の印象になるのも面白いですね。
結末の意味も、結局その方が幸福で、
ハッピーエンドへ向かう構成ともとれるからです。
Posted by 砂野 at 2007年05月17日 16:48
『笑う月』に入っている文章は全部好きですが、安部公房を知るきっかけになった『鞄』と、その後ろについてきた『公然の秘密』はとても大事な作品で、年に何度か読みます。
『人間そっくり』をフランスで舞台化したら面白いんじゃないかなぁと思ったりもします。
Posted by at 2007年05月19日 11:17
みなさん、コメントありがとうございます。

>要さん
>>『人間そっくり』をフランスで舞台化したら面白いんじゃないかなぁと思ったりもします。

面白そうですね。壊れたレコードプレイヤーのように針が同じ所に戻ってくる会話劇をフランス人の前でぶつけてくれたら最高ですよ。^^)

なお、長編『人間そっくり』の前に、テレビドラマ『人間そくっり』の脚本(全集9所収)が書かれています。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/2459/kanren.htm#004-2

小説家に金子信雄、男に田中邦衛という豪華な配役だったので是非見たいと思っています。
Posted by w1allen at 2007年05月19日 11:58
おおお、ぜひ読んでみたいです。9巻ですね。
パリ日本文化会館の図書館で今度読んでみます。
安部公房スタジオの映像はどうしても観れないものなんでしょうかねぇ。
渋谷にそんな危険なものがあったなんて、すごい時代だなぁとつくづく思います。
Posted by at 2007年05月20日 01:18
1.訂正
テレビドラマ『人間そくっり』→テレビドラマ『人間そっくり』

2.映像
残念なことに、映像を見ることは難しいようです。「没後10年 安部公房展」では、幸運なことに「仔象は死んだ」の映像があったので、噛りつくように見てしまいました。
ここはひとつ、要さんの手によって「危険なもの」を作ってみられてはいかがですか?
Posted by w1allen at 2007年05月20日 05:25
「昭和五十九年四月三十日 十一刷」と奥付のある、新潮文庫の『夢の逃亡』が手元にあります。私が最初に購った安部作品です。実際に手に入れたのは、昭和61年だったでしょうか。高校2年の時です
『牧草』で、中空に放り出されました。『異端者の告発』で冥府に誘われました。『名もなき夜のために』で終わりなき夜の環状線を廻りました。『虚構』では幾度も頁を閉じようとしました。つまり、その「わからなさ」に、音をあげそうになったのでした。
しかし、『薄明の彷徨』で、なにかがガラリと変わりました。ワケも判らず、「これだ!」と思えたのでした。
その後は.....。ひとつに絞り込むのは、到底出来ない相談です(苦笑)。書き出せば、アレンさんのサーバーの容量を使い尽くしてしまうでしょう。
Posted by MB at 2007年05月21日 23:50
MBさん、こんにちは。
『薄明の彷徨』は、二面性が面白いですね。例えていうと、グラウンドの二週目を走っていたら、一周目とがらりと違う景色を見ってしまったような錯覚に近い感覚です。

>ワケも判らず、「これだ!」と思えたのでした。
こういう作品或いは作家に出会うことが、読書の一番の楽しみのように思います。
Posted by w1allen at 2007年05月26日 17:12
蛇足です。
新潮文庫『夢の逃亡』に収められている作品と、安部公房全集に収めされている作品には異同があります。前者は初刊本を、後者は初出誌をテキストにしているためです。
Posted by w1allen at 2007年05月26日 17:29
w1allenさんはじめまして。
ついこの間「反劇的人間」を手に入れました。
自分をかえりみただけでも、安部公房のファンには収集癖と、整理欲求があると思います(笑

w1allenさんの言うとおり、鉛の卵や、第四間氷期も好きだし、ファンなんですべて大好きなんですが、

僕の好きな安部作品は
短編だと「人魚伝」と「手」
長編(?)になると「カンガルーノート」が好みみたいです。

多分、「キャッチー」なのが僕の好みになると思うんですが、増殖する主人公や、サルベージの描写、変形を繰り返す鳩の「俺」と、剥製職人と溶鉱炉のくだりが、なんか好きです。

安部公房の生み出したもの中で、有袋類の考察と、ベッドの描写が一番かわいいと思いますが、いかがでしょうか。

以上が僕の選んだ作品ですが、作品に選ばれるといいますか、体質的に、読んでて一番トリップした作品は、「燃えつきた地図」です。
Posted by 1982 at 2007年07月14日 17:06
1982さん、こんにちは。
収集癖というと、公房がエッセイで父浅吉氏に病的なほどの収集癖があったと語っています。
「人魚伝」は幻想的な感じがあっていいですね。
Posted by w1allen at 2007年07月20日 18:07
はまってしまうきっかけになったのは「無関係な死」「誘惑者」です。
比較的規模の小さい話ですが、だからこその濃縮感というか、胸にきゅーっとくる話ですね。
最後の場面には頭を抱えたくなりました。
ほかにも「砂の女」「友達」「笑う月」「壁 S・カルマ氏の犯罪」などなど大好きな作品はたくさんありますが、
「一番」って言われたら、「終わりし道のしるべに」です。
「観念的」とよく言われていた安部作品の、フィジカルな面をアピール(→誰にだ。わはは)したくて、がっぷり四つに組んで卒論を書きました。もう十数年前のことです。
登場人物の体臭と体温がもわっと迫ってくる、大好きな作品です。

あ、あと「死んだ娘が歌った」も好き!
Posted by るき at 2007年10月22日 18:59
るきさん、3年も放置していてすみませんでした。m(_ _)m

『終わりし道の導べに』は、いいですよね。「存在」や「故郷」に対する哲学的追究、冒険小説とも言えるストーリー展開、いくら逃げようとしても追いかけてくる境界線、色んな意味で安部公房の小説の原点だと思います。抽象的な文体の中に具象が描かれているのと同時に、具象的な文体の中に抽象が描かれているのだと思います。観念的と言われる安部作品のフィジカルな面とは、そういったところにあるのではないかと愚考しています。
Posted by w1allen at 2010年09月22日 22:29
『箱男』が好きです。
日本語でものを考え、日本語でものを書く上で、このような作品が生まれ得るということが、大事件でした。〈読む〉ことから〈書く〉ことへ意識のベクトルが変わったのは、この作品のおかげです。
Posted by モナド at 2010年09月23日 22:01
ちょっと困った企画ですね。なぜって好きなのがありすぎて(笑)なにから書こうかと。

でもまず「榎本武揚」ですね。歴史を現在の人物にからませて取り込む設定、作者の意図・問題意識はとても深いが、それを直接には感じさせない描写、そしてこの小説のための文体、と完璧だと思います。安部公房が歴史小説を書けばこれくらいはできるんだよ、というところをみせていますね。

私はこれに、封建主義的忠誠心と同レベルでの転向という問題ではなくて、西洋留学での知見からより高次のレベルでの共和国設立を夢見た榎本、という公房の意識の深さを見、感じ入りました。

今日のところはこれくらいにしておくわ、ってまたほかのも書くつもりかね(笑)
Posted by hirokd267 at 2010年09月24日 00:36
>モナドさん
『箱男』は、既存の小説の構造を破壊した革命的な小説だと思います。このような作品を日本語という原語として読める我々は幸せですね。
意識のベクトルの変化を及ぼしたというのは素晴らしい「事件」ですね。ところで、書く行為は読む行為を喚起し、読む行為は書く行為を誘発してはいませんか?つまり、読むことと書くこととの<<不機嫌な関係>>も体験されているのではないでしょうか?^^)

>hirokd267さん
『榎本武揚』は、幕末、戦後、現在という形の異なる混乱期、言い換えれば、何に価値を求め、何に忠誠を尽くすか選択を求められる混迷期の人間の生き方について、考えさせられる作品ですね。
従来有った従順と反逆の相反する道、それら以外に第三の道がないのかについて、考えさせられる作品でした。
ただ文体については、漢文や古文が出てくるので読むのに疲れました。私は、小説よりも戯曲の方が好きですね。

>>今日のところはこれくらいにしておくわ、ってまたほかのも書くつもりかね(笑)
また、書いてください。^^)
Posted by w1allen at 2010年09月27日 22:36
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