2019年12月29日

2020/3/22(日)開催『砂の女』読書会のお知らせ

(2020/3/13)
新型コロナウイルス感染症予防の一環とのことで、利用予定だった会議室が使用できなくなりました。そのため、「砂の女」読書会の開催を延期します。

既に参加表明されていた方や検討されていた方には申し訳ありません。コロナウイルスが収束した頃に、開催したいと思います。


草原の中の本の画像.jpg
ご注意
1.会場は、高槻現代劇場とも呼ばれています。
2.今回ネット中継はありませんが、録画したものを後日公開します(撮影対象は主宰者のみです)


第18回関西安部公房オフ会(略称KAP)の読書会の開催が決まりました。
KAP読書会の紹介過去の読書会の映像もご覧いただけるとありがたいです。

日時:2020年3月22日(日) 午後1時ー5時
開場:12時50分
場所:「高槻現代劇場」内・高槻市立文化会館(市民会館)集会室301号
   アクセス 高槻市立文化会館の地図
http://www.city.takatsuki.osaka.jp/bunka/theater/access/index.html
京阪電車からは、枚方市駅から京阪バスで阪急高槻へ約20分です

読書会の課題本:『砂の女』(新潮文庫)
言わずとしれた安部公房の代表作です。砂丘に昆虫採集にきた教師が、村人にはめられ、過酷な砂掻きを強要されることになる。様々な脱出の試みがことごとく失敗に終わるうちに、教師の内面にも変容を来す。いろんな解釈ができると思います。みなさまと感想を意見交換したいと思います。

主宰人、司会・進行、広報:hirokd267(岡田)・w1allen(岡)

内容:(1)自己紹介
   (2)あらすじの確認
   (3)フリートーク(進行・岡)
   (4)感想・次回予定
   (5)発表されたい方も歓迎しますので、事前に仰って下さい

その他:途中参加も歓迎です。飲み物(酒類は不可)は各自で用意してください。軽食の持ち込みもできます。
また、当日はニックネームで呼び合いますので、各自ニックネームを考えておいて下さい。

二次会:懇親を深めるため、二次会で和気あいあいと飲み、語りあいたいと思います。学生さんにも気軽に参加していただけるように設定します。二次会のみの参加も歓迎です。
会場:餃子の王将 阪急高槻店(予定)
費用:約2000円を予定。(コース料理ではなく、自由に注文する形式です)。お酒を飲まない人は、少し値引きします。
注意:喫煙不可

なお一次会の費用は 会場費分の割り勘です。
大体、500円-600円の予定です。

申し込み方法:1.できればこくちーずから申し込んで頂くと助かります。
2.ツイッターで@hirokd267又は@w1allen宛にツイートまたはRT(リツイート)で「参加申し込み」と書いてください。
3.下記のメールアドレスに申し込みメールを送って下さい。(メールアドレスは画像です)
mail-w4allen-gmail.png

皆さまのご参加を心からお待ちしています。
不明な点がありましたら、遠慮なくお尋ね下さい。
posted by アレン at 16:39| Comment(0) | 安部公房を読みこむ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月26日

[砂の女]25年後の再読

安部公房の『砂の女』を読んでいる。

ある男性教師が新種の昆虫を探しに砂丘にやってくる。部落の老人に泊まっていけばいいと言われ、砂丘をくり抜いたように建てられた一軒の家に縄梯子で案内され、そこには一人の女性が住んでいた。男の長期滞在をほのめかす女性の言動に違和感を感じつつも、夕食を食べ寝る。しかし、翌日縄梯子はなく、地上に戻ることができなくなっていた。村人から、女性とともに砂を掻くように言われるが、主人公は断固拒否する。しかし、砂に足をとられ、地上へは行けない。いろんな方法を試すが、結局失敗の繰り返しというのが、極めてはしょったあらすじである。

20歳の頃に読んで、天と地が反転するくらいの衝撃を受けた。砂という具象を描きつつ、抽象的な思考に展開できる。一見逆説的と思えることを巧みに読ませる魔術的文体でもあった。

私は、空想世界や反常識的世界に子供の頃から惹かれていた。現実世界とは異なる成り立ちをしているような世界、例えばアニメで言えば『王立宇宙軍 オネアミスの翼』のような作品が好きだった。日本語でもない英語でもない言葉をしゃべるシーンや架空の世界観・価値観を作り込んだものが好きだった。しかし、どこかで、現実のありきたりな価値観、「夢を追求するが大事」といった保守的な結末に帰着されるのが不満だった。『王立宇宙軍』の結末は保守的ではあるが、冒頭からのはぐらかしを巧みに混ぜているように感じる。

『砂の女』はどうだろうか?SFやファンタジー小説ではなく、現実の小説だと思う。砂や昆虫に関する記述も自然科学的な精密さが有り、リアリティがある。一方で、村の恐ろしい閉鎖性、暴力性に最初は憤りながら、いつしか理解するようになり、脱出のことを忘れそうになると言った心理の変容の描写が秀逸だ。いつしか出発の方向とは真逆の方向になっていることを連続的になめらかに描いたというところが、私が受けた衝撃だった。そして、保守的な説教臭い価値観が全く出てこないことも素晴らしいと思う。砂に関しても、具象としての砂でありかついろんな形でのアレゴリー的解釈もできる。恐ろしく解釈の自由度の高い小説で、研究者でも解釈がかなり異なり、"安部公房『砂の女』作品論集"という本があるくらいだ。

さて、読書会開催のために、何度目になるか分からない再読をしている。25年末に買った文庫本もすっかり焼けてしまっているが、だからこそ宝物になっている。

【関連記事】
[砂の女]十年後の再読
[原稿]私の中の安部公房
posted by アレン at 16:20| Comment(0) | 安部公房を読みこむ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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