2006年02月25日

[告知]ユーロスペースで川本喜八郎さん特集−全作品を上映

人形アニメーション作家、川本喜八郎作品の上映会が渋谷ユーロスペースで行われます。
なぜ、取り上げたかというと、自主制作『詩人の生涯』が観れるからです。
是非、観に行きたいです。
http://www.shibukei.com/headline/3089/
posted by w1allen at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 安部公房を観る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月12日

[語る]賽の河原というモチーフ


 安部の作品には、地獄や賽の河原という言葉が結構よく出てくる。賽の河原とは、
「一つ積んでは父のため、二つ積んでは母のため・・・・・・」というやつだ。

『砂の女』では、主人公が女に対して、砂掻き作業を賽の河原に例え、その非生産性を非難した直後に、
「賽の河原って、あれ、しまいに何うなるんでしょうかねえ?」
「どうもなりゃしないさ・・・・・・どうにもならないから、地獄の罰なんじゃないか!」

というやりとりがある。
(新潮文庫初版 P179)

また、『方舟さくら丸』では、蜜柑口に行く途中で
 積み石が行く手をはばんでいた。切り出しというよりは、かち割った感じの、大小の砕石だ。なかには、賽の河原の塔みたいに積み上げられたものもある。

という描写がある。
(新潮文庫初版 P205)

そして、賽の河原というと、『カンガルーノート』を外すことはできない。
主人公が賽の河原にやってきて、小鬼と話す場面がある。

「この川の名前は?」
「三途の川」
「賽の河原ってわけか」


また、小鬼が、例の歌を歌う場面がある。

御詠歌ふうの節回しで、ハンド・マイクを通した小鬼の声が寒々とながれはじめた。

(中略)

ひとつつんでは ちちのため
ふたつつんでは ははのため
さんじゅうつんではふるさとの
きょうだいがみをえこうして

(安部公房全集29巻 P120-121)

「ははのため」以降にも歌が続いている。
このことに関連して、河合隼雄との対談で、安部は次のように語っている。
意外に知りませんね。前も後ろも、知っている人は意外にすくない。かなり苦労してしらべてもらったんです。まず坊さんにあたってみたけど、駄目だった。こんなものは仏典にはありませんと(笑)。さらに調べてもらったら、これはどうも御詠歌で・・・・・・。


(安部公房全集29巻 P220-221
境界を越えた世界ー小説『カンガルー・ノート』をめぐって
[対談者]安部公房・河合隼雄)
(また、この対談は、『こころの声を聴く』にも収められている。)

御詠歌とは、goo辞書によると
霊場の巡礼者や浄土宗信者の歌う、仏や霊場をたたえる歌。和歌や和讃に単調で物悲しい節をつけ鈴(れい)を振りながら歌う。巡礼歌。詠歌。

というもの。

賽の河原には、水子が親の罪を償うという矛盾を抱えつつ語り続けられるという、民間伝承独特の魅力があるように思う。
posted by w1allen at 08:14| Comment(1) | TrackBack(0) | 安部公房を読みこむ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月04日

[告知]メールアドレスの変更

安部公房解読工房用のメールアドレスを変更しました。
また、同じメールアドレスを本blogにも掲載しました。
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